数年前、私は音楽関係の専門学校に通学していた。学校そのものが、ひとつの音楽業界(芸能界)のような体制になっていて、各職種の学科がある。アーティストや俳優から雑誌編集者、舞台の裏方まで様々。そして面白いもので、その学科によって生徒のカラーも違ってくる。そんな仲間たちが一丸となって、行事を行ったのだ。骨髄移植キャンペーンのミュージカル。各学科が、それぞれの役割りを果たす。私の学科はデザインの勉強もしていたので、スタッフ全員が着るオリジナルTシャツのデザインを任された。クラスメイト一人ひとりが、懸命に考える。数十のアイディアが出る。それを先生方による選考でひとつに決める、いわばコンテスト形式だ。誰のデザインが選ばれても文句はない……と、言ってしまえばウソになった。自分のものが採用されることを祈っていた。けれども、先生方が選んだのは友達のものだった。少し悔しかったことを、今でも覚えている。本番の数日前、出来上がったオリジナルTシャツが配られた。必ず入れなければならないテーマの向日葵の花が、ミュージカルのイメージどおりにクリエイトされている。「夢」と「希望」を詰め込んだ、オリジナルTシャツだった。それを、数百人が着ているのだ。とても感動した私は、友達に拍手を送った。